長谷川陽子(チェロ) & 三浦一馬(バンドネオン) & 大萩康司(ギター)〜情熱と哀愁のリベルタンゴ〜

3人の名手たちが紡ぎ出す新たな「リベルタンゴ」の魅力

左より:長谷川陽子 C)ビクターエンタテインメント/三浦一馬 C)Shigeto Imura/大萩康司 C)ビクターエンタテインメント

 チェロの長谷川陽子、バンドネオンの三浦一馬、ギターの大萩康司。それぞれの楽器で第一線で活躍する名手たちが、異色の共演を果たす。題して「情熱と哀愁のリベルタンゴ」。「リベルタンゴ」といえば、タンゴの革命児ピアソラの代表作。バンドネオンと聞いてまっさきに思い起こすのがこの曲だろう。チェロの深みのあるのびやかな音色に、バンドネオンの濃密で官能的な響きと、ギターのニュアンスに富んだ色彩が加わって、楽曲の新たな魅力を伝えてくれるのではないだろうか。

 プログラムには「リベルタンゴ」以外にも名曲がずらりと並ぶ。ヘンデルの名アリア〈涙の流れるまま〉やハチャトゥリアンの「剣の舞」は、チェロとバンドネオンで演奏される。ともにメロディをたっぷりと歌うことのできる楽器だけに、いろいろな編曲の可能性がありそうだ。ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」とファリャの「スペイン民謡組曲」はチェロとギターで。踊りと歌の音楽が午後のひとときを彩る。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2020年1月号より)

2020.2/21(金)13:30 東京オペラシティ コンサートホール
問:ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212
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