第418回 日経ミューズサロン チェコ少女合唱団《イトロ》

少女たちによる驚異のアンサンブル


 世界屈指の少女合唱団・イトロが3年ぶり5回目の来日を果たす。イトロ(JITRO)はチェコ語で「朝」の意味。プラハから東へ100キロメートルほどのボヘミア最古の都市フラデツ・クラーロベーを本拠とする少女合唱団だ。1973年の創立だから、世界の児童合唱団の中では“新興勢力”と言ってもよいだろう。しかし1979年から2003年までの間に出場した17の国際合唱コンクールで、16回の優勝と1回の準優勝という驚異の成績を誇る実力派だ。1977年からイトロの音楽監督を務めるのは、47年生まれの合唱指揮者イジー・スコパル。児童の発声法だけでなく、音楽心理学に関する著書もあり、その独自の教育メソッドは世界中から注目されている。演奏曲はドヴォルザークやスメタナなどのお国ものを中心に、日本の唱歌や童謡なども。5歳から17歳まで500人のメンバーが学ぶ4つの予備課程から選抜された30人の精鋭コーラスは、成熟した立派な女声合唱だ。“可愛い児童合唱団”とだけ考えて出かけると肝がつぶれます。
文:宮本 明
(ぶらあぼ2013年10月号から)

★11月26日(火)・日経ホール
問 日経ミューズサロン事務局03-3943-7066 
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