【CD】83年のリサイタル/斎藤雅広

 演奏、企画、トークなどマルチに活躍を続けるピアニストの斎藤雅広。輝きに溢れた若き頃の貴重なアーカイヴ録音をリリース中だが、その第3弾が今回の『83年のリサイタル』である。斎藤だからこそ可能な重量級のプログラムで、テクニック、音色の多彩さを存分に示す。華やかさに注目が集まるが、フランクの「前奏曲、コラールとフーガ」を聴けばわかるように、繊細な表現も非常に魅力的だ。弱音のコントロール、丁寧な楽曲分析から成り立つ構成力など、斎藤の演奏のスケールの大きさを支えるものが様々な要素の複合であることが鮮やかに伝わってくる。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2019年12月号より)

【information】
CD『83年のリサイタル/斎藤雅広』

プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ第7番/ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番/フランク:前奏曲 コラールとフーガ/リスト:ラ・カンパネラ/ショパン:アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ

斎藤雅広(ピアノ)

収録:1983年4月、イイノホール(ライヴ)
ナミ・レコード
WWCC-7911 ¥2500+税

  • La Valseの最新記事もチェック

    • パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)ロング・インタビュー Part2
      on 2019/12/06 at 01:43

      interview & text :小室敬幸 photos:野口 博 NHK交響楽団首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィに話をうかがうロング・インタビュー。後半戦はN響とのレコーディングや、2020年2〜3月に控えたヨーロッパツアーについて、じっくりと語っていただく。 ── パーヴォさんの指揮するN響のCDのなかで、バルトークにとりわけ強い感銘を受けました。これまでに発売されたもののなかでは唯一、完全にロ [&#8230 […]