世界が注目する新鋭が初の日本ツアーを敢行
いまヨーロッパで引く手あまたの若手ヴァイオリニスト、エマニュエル・チェクナヴォリアン(1995年生まれ)が日本で初めてのリサイタル・ツアー(東京はHakuju Hall)を行う。2015年のシベリウス国際ヴァイオリン・コンクールで第2位とベスト・シベリウス演奏賞を受賞した実力派である。チェクナヴォリアンの名前に見覚えがあるという方も多いだろうが、名指揮者として知られるロリス・チェクナヴォリアンを父に持つ音楽一家の出身だ。ウィーンで元アルバン・ベルク弦楽四重奏団のゲルハルト・シュルツのもとで学んだ。2017/18シーズンにはECHO(欧州コンサートホール機構)のライジング・スターのひとりに選ばれ、ベルリン・ドイツ交響楽団などと共演。今年はロンドン交響楽団との初共演も果たした。
日本でのリサイタルでは、ピアノのマリオ・ヘリングとともにベートーヴェンの「春」、ブラームスの第3番のソナタを中心に、クライスラー、シューベルトといったウィーンに縁の深い作曲家の作品を取り上げる。アルメニアに育ちながら、そもそもはウィーン生まれで、同地で学んだ経歴から、その演奏に期待が高まる。楽器はベアーズ国際ヴァイオリン協会から貸与された1698年製のストラディヴァリウスを使用している。ヴァイオリン演奏と並行して指揮活動もすでに始めており、またオーストリアでは自身のラジオ番組を持つなど、多彩な才能を見せている。その実力をしっかりリサイタルで耳に焼き付けておきたい。
文:片桐卓也
(ぶらあぼ2019年11月号より)
2019.12/1(日)14:00 Hakuju Hall
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
https://www.proarte.jp/
他公演
2019.11/28(木)野田、11/29(金)君津、12/3(火)成田、12/4(水)旭
(MIN-ONインフォメーションセンター03-3226-9999)