ジャンルを超えてソウルフルな歌を!
演目が〈トゥーランドット〉〈アラジン〉〈ラ・ラ・ランド〉〈パプリカ(米津玄師)〉と並んでいて、何事かと驚いてしまいそうになったが、出演者の欄に柴田智子の名を見つけて納得した。レナード・バーンスタインからの助言でオペラに目覚め、日米などのオペラハウスで主役を演じてきた正真正銘の世界的なソプラノ歌手でありつつも、彼女ほどジャンルにとらわれることなく音楽と真摯に向き合ってきた歌い手はいないからだ。
一風変わったタイトルを持つ、今回の公演は彼女が長きにわたって歌ってきた得意の曲目に加え、いま日本中の子どもたちに人気の〈パプリカ〉等、“今を歌う歌”を取り上げる意欲的な企画。アメリカ音楽のスペシャリストというイメージが強いかもしれないが、近年ことに日本語の歌への思いが熱い柴田だからこその公演となるだろう。シアター(劇場)を愛する柴田の歌はその立ち居振舞いも含めて音楽となるだけに、とにかく生で聴いていただきたい。
文:小室敬幸
(ぶらあぼ2019年10月号より)
2019.10/14(月・祝)19:00 豊洲シビックセンターホール
問:TSPI 03-3723-1723
http://www.tomokoshibata.com/