3rdアルバム発売記念 須田祥子(ヴィオラ) リサイタル ビオラは歌う3〜魔王/ロメオとジュリエット

CDとライヴで魅せるカンタービレ

C)K.Hirano

 東京フィルハーモニー交響楽団首席ヴィオラ奏者であり、熱い演奏姿で同団の顔のひとりともなっている須田祥子。国内屈指の名手でありながら、ヴィオラの魅力を広く伝える努力も惜しまない。ソロ活動はもちろんのこと、テレビ出演や、ヴィオラ演奏集団「SDA48」を主宰してファン層を拡大するなど、様々なアプローチでその多彩な面白さを表現しているのである。

 そんな須田が、ヴィオラへの愛を詰め込んだCDシリーズ『ビオラは歌う』の第3弾をリリース。聴くほどに味わい深く、心温まる歌にあふれたアルバムだ。9月には、その発売記念として収録曲を中心としたリサイタルが開催され、実演でその世界を体感できる。ピアノはCDでも須田の表現に寄り添いながら、美しく意味深い表現を聴かせた松本望。

 公演前半はシューベルト。歌曲の編曲では「ヴィオラこそ人間の声に近いのだ」と感じられるはず。「魔王」の自在な音色変化と超絶技巧も聴きもの。CDにはない「アルペジオーネ・ソナタ」を、いまの彼女の名技で聴けるのは嬉しい限りで、充実の“歌”を堪能できそうだ。後半はまずプロコフィエフ「ロメオとジュリエット」で、CDでも名編曲の秀演だったが、実演なら感銘はより深まるはず。特に抒情的な場面の美しさは格別だろう。メインは20世紀イギリスの女性作曲家レベッカ・クラークのソナタで、技巧性の中に陰りのある美しい歌心が表現された、ヴィオラ・ファンならずとも聴いてほしい名品。“歌うヴィオラ”の魅力をたっぷり堪能する。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2019年9月号より)


2019.9/20(金)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
問:SDA48事務局080-4002-3058

【お知らせ】
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CD『ビオラは歌う3』
N&F MF25903
¥2800+税

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