チャイコフスキー美学のエッセンスを!
第一生命ホールで開催されている人気企画、《音楽のある週末》に上原彩子が登場する。チャイコフスキー国際コンクールの優勝から11年、現在は演奏活動と3人の子育てとを両立させ、充実の生活を送る上原。そんな彼女が今回取り組むのはオール・チャイコフスキー・プログラム。意外にも初の試みだという。会場の第一生命ホールは、器楽曲や室内楽に適した広さだ。「大きすぎないホールにぴったり」と彼女がまず選んだのは、12の小品からなる「四季」。これまでにもアンコール・ピースとしてその一部を弾いてきた上原だが、全曲を通すのは初めてとのこと。さらにプレトニョフのピアノ編曲版による組曲「くるみ割り人形」から「こんぺい糖の踊り」「中国の踊り」「トレパック」をチョイス。後半の「グランド・ソナタ」はチャイコフスキーの隠れた名曲と謳われる作品で、演奏時間は30分を超える大曲だ。上原が2時間で描きあげるチャイコフスキー像に注目したい。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2013年11月号から)
★11月9日(土)・第一生命ホール
問:トリトン・アーツ・ネットワーク・チケットデスク03-3532-5702
http://www.triton-arts.net