大萩康司(ギター)& 梶川真歩(フルート)

「初めて聴いたけどかっこいいね」と思ってくれれば最高です!


 フルートとギターのデュオは、コンパクトで爽快なサウンドを生み出す室内楽だといえるが、コンサートは意外に少ないだけに可能性を秘めている組み合わせだ。
 NHK交響楽団での演奏を軸に多彩な活動をしている梶川真歩、2020年にデビュー20周年を迎える大萩康司の2人が、10月にHakuju Hallで行う「サロン・コンサート」は、2つの楽器のデュオに新しい時代をもたらすような一夜となるかもしれない。初共演となる2人だが、レパートリーの開拓や聴き手を楽しませてくれる意欲は並々ならぬものがある。

「演奏者がお客様を自分のサロンに招くという、とても親密な雰囲気を大切にしたコンサートですから、純粋に演奏したい曲や、これを聴いて欲しいと思える曲を選びました。とても“私たちらしさ”の出た個性的なプログラムになり、これからフルートとギターの新しいレパートリーとして定着することも願っています。楽器を演奏している方にも『こんなにいい曲があるのか!』と驚いていただけるでしょうし、初めてフルートとギターのデュオを聴くという方にも楽しんでいただける選曲です」(梶川)

 その選曲は、ギター界でおなじみのジュリアーニや、カステルヌオーヴォ=テデスコのソナティナ(近年見つかったオリジナル稿での演奏)、さらにはプーランクの金管三重奏ソナタを編曲した珍しいものもある。しかし知名度の高低なく「初めて聴いた作曲家や曲だけどいいね、かっこいいね」と思っていただければ最高だと、2人は話す。

「フルートとギターのデュオは工藤重典さんと福田進一さんが道を開いてくれましたが、自分たちは敬意を払いながらも甘んじることなく、さらに新しいレパートリーを構築していくつもりです。梶川さんのように音楽で会話ができる奏者との共演は自分にとっても新しい発見へつながりますし、自分自身が新鮮な気持ちでステージへ立てると楽しみにしています。Hakuju Hallは自然体で演奏ができ、音が気持ちよく広がっていく空間ですから、本当に幸せなコンサートになるでしょうね」(大萩)

 無理に大きな音を出す必要のない空間であるため、繊細な音や表現までを追求でき、2人にとっては最高級の音楽を届けることができる場を得たといえるだろう。今回のコンサートは「結成第1弾」などと銘打っていないものの、これからの活動も楽しみなデュオの誕生となりそうだ。これを聴き逃すのはもったいない。
取材・文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ2019年9月号より)

Hakuju サロン・コンサート Vol.3 大萩康司 & 梶川真歩
ギターとフルートが織りなす音の世界
2019.10/25(金)19:00 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 
https://www.hakujuhall.jp/