逸材たちのほとばしる感性と技巧を目撃する
覇気に満ちた、瑞々しい快演に触れられる、絶好のチャンスだ。芸術家としての自立を目指す可能性に富む新人音楽家を発掘し、育成・支援を行うことを目的に、東京都や東京文化会館(東京都歴史文化財団)が毎年開いている「東京音楽コンクール」。17回目となる今年は、木管・ピアノ・声楽の3部門で、予備審査を通過した俊英たちが、2次にわたる予選や本選に臨み、磨き上げた技巧や音楽性を競う。
1965年に始まった東京文化会館の「新進音楽家デビューオーディション」を前身として、2003年に当時の三善晃・館長の提唱により、拡充する形でスタート。当初はピアノ・弦楽・木管・金管・声楽の5部門、15年からは組み合わせを変えた3部門ずつの開催となり、参加者の国籍・居住地も不問に。審査員には国際的に活躍する音楽家が顔を揃え、出演機会の提供やリサイタル支援など、他に類を見ない入賞後の手厚いサポート体制もあって、今や日本を代表する登竜門として知られている。
第1次予選(非公開)を経て、第2次予選(木管=8/16、ピアノ=8/17、声楽=8/18)を開催。その通過者が臨む本選は、大井剛史指揮の日本フィル(木管=8/22)、角田鋼亮指揮の東京フィル(ピアノ=8/24) 、現田茂夫指揮の東京交響楽団(声楽=8/26)との共演で、入賞者が決まる。本選では、客席からの投票で選ぶ「聴衆賞」も設けられ、ちょっとした審査員気分も味わえる。また、来年1月13日には「入賞者コンサート」を開催。三ツ橋敬子指揮の東京フィルをバックに、華々しく“お披露目”される。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2019年8月号より)
【第2次予選】
木管部門:2019.8/16(金)
ピアノ部門:8/17(土)
声楽部門:8/18(日)
各日11:00 東京文化会館(小)
【本選】
木管部門:2019.8/22(木)18:00
ピアノ部門:8/24(土)16:00
声楽部門:8/26(月)18:00
東京文化会館(大)
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
https://www.t-bunka.jp/tmc/