275年を超える歴史を誇り、通算25回目の日本ツアーを行うライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が来日し、5月28日に記者会見が行われた。
会見には、アンドリス・ネルソンス(ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 第21代カペルマイスター)、アンドレアス・シュルツ(ライプツィヒ・ゲヴァントハウス ジェネラル・ディレクター)、今回のツアーでショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番を演奏するバイバ・スクリデらが出席。ネルソンスは2017年より第21代カペルマイスターに就任し、このコンビで初の来日公演となる。
(2019.5/28 東京都内 Photo:M.Otsuka/Tokyo MDE)
以下は登壇者のコメント。
アンドリス・ネルソンス
「オーケストラの団員、事務局のスタッフ、そしてソリストのバイバさん、全員が今回の日本ツアーを楽しみにしていました。21代のカペルマイスターの就任は私の夢の実現でもありましたが、大きな責任を感じています。私はこのオーケストラが持つ独自の伝統とサウンドを大事にしながら、これを継承していかなくてはなりません。もちろん、現代の作曲家の新作を紹介することも大きな喜びです。このオーケストラのサウンドは、蜂蜜に触れるような究極な柔らかさがある一方、ブラームスのような作品では、大きな船に乗っているような安心感があります。
バイバさんとはラトヴィアの同じ学校の出身です。ソビエト時代、ラトヴィアの音楽教育は厳しかったのですが、この国から優秀な音楽家がたくさん輩出されたことからもわかるように、とても効果的だったと思います。音楽は国際的な感情を表現する言語なので、作品の解釈が出身国によって大きく変わるとは思いません。しかし、ショスタコーヴィチの音楽は私たちが持っているDNAに近いかもしれませんね」
バイバ・スクリデ
「日本に再度戻って来られて興奮しています。また、素晴らしいマエストロとオーケストラとツアーできることも嬉しいです。ショスタコーヴィチの協奏曲は非常に美しい作品で、かつ、このツアーでアンドリスさんとゲヴァントハウス管で何回も演奏できるのも喜ばしいことです。実は、私が子どもの頃、ソビエト連邦崩壊前のラトヴィアでは、ポップスを聴くことが禁じられていました。ですから、例えば、憂さ晴らしをするときには、ショスタコーヴィチを聴くしかなかったのです!(笑)。私はこのようにしてショスタコーヴィチに対する理解を早くして深めていきました」
ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 来日公演
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