クリスチャン・ツィメルマン ピアノ・リサイタル

満を持してショパン・スケルツォ全曲に臨む

©Bartek Barczyk

 1975年のショパン国際ピアノ・コンクールで優勝の栄冠に輝いて以来、40年以上に及ぶ演奏活動において常に第一線で活躍を続けているピアニスト、クリスチャン・ツィメルマンは、こだわりの音楽家。自身の楽器を運び、調律にも精通し、ホールの音響にも気を配る。すべては最良の演奏を聴衆に提供するためである。そこから生まれ出る音楽は完璧なる美に貫かれ、しかも堅苦しさは微塵もない。
「私はひとつの作品をステージで演奏するまで約10年はかけます。完全に作品が自分のなかに入ってくるまで、人前では演奏しません」

 以前のインタビューでこう語っていたツィメルマンがプログラムに組んだのは、ブラームスのピアノ・ソナタ第3番にショパンのスケルツォ全曲(Aプログラム)と、ショパンの「4つのマズルカ op.24」、ブラームスのピアノ・ソナタ第2番とショパンのスケルツォ全曲(Bプログラム)。満を持して登場するショパンのスケルツォ全曲とブラームスのソナタは、真摯で思慮深く、一途に作品の内奥へと没入していくツィメルマンの真骨頂となりそうだ。細部まで神経を張り巡らせた完璧なるピアニズムは、作曲家が作品に込めた美の世界へと近づき、哲学的な面にまで歩み寄ろうとする精神性の高いもの。本物のピアノを聴く至高の喜びがそこには存在する。
「子どものころから弾いている作品でも、真の意図に近づくためには膨大な時間がかかります。いま弾くべきだと思う時期がきたら、意を決してステージに乗せるのです」
 ツィメルマンのピアノを聴く―それは彼から作曲家の魂を受け取ることにほかならない。
文:伊熊よし子
(ぶらあぼ2019年3月号より)

2019.2/28(木)19:00 サントリーホール(Aプログラム) ※完売
3/5(火)19:00 東京オペラシティ コンサートホール(Bプログラム)
問:ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040
※全国公演の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。 
https://www.japanarts.co.jp/

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