東京オペラシティ B→C 益田展行(ギター)

聴いた後にポジティヴなものを感じてほしい

C)TAKUMI JUN
 「バッハからコンテンポラリーへ」をテーマに掲げる東京オペラシティの名物リサイタル・シリーズ「B→C」。11月は気鋭のギタリスト、益田展行が登場する。
 益田は2003年東京国際ギターコンクールで1位なしの2位を獲得した後、ケルン音楽大学ギター科、ワイマールのフランツ・リスト音楽大学ギター科に学び、数々の国際コンクールで上位入賞を果たしている。ドイツでは「古楽、とりわけバッハをしっかりと学びたい」と考え、チェンバロやフラウト・トラヴェルソの教授から演奏解釈や作品様式について指導を受けたり、副科としてリコーダーのレッスンまで受けたという。デビューCDでもバッハをとりあげた。
 そんな来歴を考えれば、「B→C」シリーズへの出演者としてこれほどふさわしい人もいない。バッハの作品からは、デビューCDにも収められた無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番と無伴奏チェロ組曲第6番が選ばれた。これら無伴奏作品やリュートのために書かれたバッハの作品は「ギターで演奏しても作品の本質を損なうことはない」という。
 コンテンポラリー作品では、武満徹の死を悼んで書かれたブローウェルの「HIKA(悲歌)」、その武満徹の「すべては薄明のなかで」、そしてブリテンの「ダウランドによるノクターナル──『重き眠りよ来たれ』にもとづくリフレクションズ」が演奏される。静謐な詩情にあふれた作品が目立つ。プログラム全体のテーマは「闇から光へ」。「聴き終えた後になにかポジティブなものを感じてほしい」という奏者の願いが込められている。同公演は益田の出身地、長崎でも行われる。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ2018年11月号より)

2018.11/10(土)14:00 長崎ブリックホール 国際会議場
問:NBCソシア095-826-5304

2018.11/20(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
問:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999 
http://www.operacity.jp/