西川 豪(ヴァイオリン)

王道の名曲から導き出される鮮烈な響き

C)TAKUMI JUN
 美しい音色と繊細さ、そして精神的エネルギーを併せ持つ俊英ヴァイオリニスト、西川豪。精力的な活動の中でも、特に軸に据えているのが、毎年開いているリサイタル。今回は、ベートーヴェンの第7番とフランク、2つのソナタにバッハ「無伴奏ソナタ第1番」という“王道の名曲”から、鮮烈な響きを引き出す。
 東京藝大・同大学院に学び、ジェラール・プーレら名匠たちの薫陶を受けた。近年のソロリサイタルにおいて「心惹きつける音色、典雅な演奏」と絶賛を浴び、リサイタル活動や室内楽など、幅広く活躍。一昨年リリースのデビューCD『エモーション』(オクタヴィア・レコード)も、非常に高い評価を得た。
 今回のリサイタルは、実力派ピアニストの佐野隆哉が共演。楽聖の“宿命の調性”であるハ短調をとるベートーヴェンの第7番。そして、近代のヴァイオリン・ソナタを代表するフランク。さらに、深い精神性を湛えたバッハの無伴奏へ対峙する。
 果たして、強い個性を持つ傑作群から、俊英はどんな“回答”を導き出すのか。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年9月号より)

2018.9/21(金)19:00 東京文化会館(小)
問:パシフィック・コンサート・マネジメント
  03-3552-3831
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