弾き振りのモーツァルトとブラームスのラスト・シンフォニー
ドイツ・リューベック歌劇場首席客演指揮者、びわ湖ホール芸術監督など国内外で活躍を続ける沼尻竜典が音楽監督を務める「トウキョウ・ミタカ・フィルハーモニア」は、三鷹市芸術文化センターを拠点とするプロフェッショナル・オーケストラ。三鷹市出身の沼尻の呼びかけで誕生した「トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズ」を母体とする名手揃いの団体である(2016年に名称変更)。
今夏の定期演奏会の曲目は、モーツァルト「ディヴェルティメント K.137」とピアノ協奏曲第19番、ブラームスの交響曲第4番。マエストロが弾き振りするピアノ協奏曲は、モーツァルトがウィーンで名声を確立した1784年の作品。明朗で軽やか、ロンドとフーガを組み合わせた終楽章も充実している。ブラームスの最後の交響曲では、沼尻のタクトで精緻なアンサンブルから鮮明で豊かな響きが創り出されるだろう。
長年にわたり香り高い音楽を作り上げてきた団体に新風を吹き込む若手が加わった。さらなる高みへと向かう活動に注目したい。
文:柴辻純子
(ぶらあぼ2018年7月号より)
第77回定期演奏会 ブラームス 最後の交響曲
2018.7/28(土)15:00 三鷹市芸術文化センター
問:三鷹市スポーツと文化財団0422-47-5122
http://mitaka-sportsandculture.or.jp/