「疾風怒濤」期のハイドンと初期ロマン派の傑作を
C)K.Miura
2年ぶりの登場となる6月の東京シティ・フィルの定期演奏会では、ハイドンの交響曲第26番「ラメンタツィオーネ」、シューマンのチェロ協奏曲(弾き振り)、シューベルトの劇音楽「魔法の竪琴」序曲、交響曲第7番「未完成」を指揮する(ちなみに前回・第294回の定期演奏会はハイドンの交響曲第103番「太鼓連打」とシューベルトの交響曲第8番「ザ・グレイト」)。ハイドンは、古典派音楽に造詣の深い鈴木の十八番のレパートリーである。今回演奏される、ハイドンとしては珍しい短調の交響曲は、「シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤)」期の作品と推測されている。鈴木は、初期ロマン派の作品も得意としてきた。シューマンのチェロ協奏曲ではガット弦の魅力が堪能できるであろう。シューベルトの劇音楽「魔法の竪琴」序曲は、のちに「ロザムンデ」の序曲に転用された。「未完成交響曲」では、これまで耳にすることができなかったような新鮮な演奏が聴けるに違いない。
文:山田治生
(ぶらあぼ2018年6月号より)
第316回 定期演奏会
2018.6/8(金)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:東京シティ・フィル チケットサービス03-5624-4002
http://www.cityphil.jp/