八王子音楽祭 2018

ホールから街角のカフェまで、八王子が音楽に染まる2週間


 ユニークな文化活動を展開している八王子で行われる一大イベント「八王子音楽祭」。2008年に開始され、14年の第6回からは規模を拡大して毎年の開催となり、国内トップアーティストが登場を重ねる音楽祭として定着し、今年は第10回という節目を迎える。充実のラインナップのうち3公演をご紹介。
 まず、音楽祭開幕を告げる、木嶋真優ヴァイオリンリサイタル(5/27)。10代からめざましい活躍を繰り広げ、16年には上海アイザック・スターン国際コンクール優勝など、卓越した技巧と情熱的な表現でますます好調の木嶋。名手・江口玲のピアノを得て、ブラームスのソナタ第1番「雨の歌」ほか、聴きごたえ十分のリサイタルとなる。
 錦織健のテノール・リサイタル(6/3)も注目。随一の人気歌手が、魅力的な歌唱にメディア出演でもおなじみの軽妙なトークをまじえて、〈荒城の月〉〈誰も寝てはならぬ〉など日本歌曲から名オペラ・アリアまでを聴かせる、万人が楽しめるステージだ。
 “炎のマエストロ”小林研一郎と東京交響楽団による公演(6/9)も楽しみ。前半は我が国の代表的な名ピアニスト・田部京子との共演で、グリーグの協奏曲を。メインのチャイコフスキー「悲愴」は小林の得意演目で、14年から毎回出演の東響とともに、燃えるような熱演を期待したい。
 2週間にわたり、堅苦しくない雰囲気の中で本格的なクラシック公演を楽しめる「八王子音楽祭」は、多彩な演奏会に加えて、街中コンサート、参加型公演も用意されている。地元以外の人も足を運んで音楽祭に“参加”したい。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2018年6月号より)

2018.5/27(日)〜6/10(日)いちょうホール、オリンパスホール八王子 他
問:八王子市学園都市文化ふれあい財団042-621-3005
http://www.hachiojimusicfestival.com/