第4回高松国際ピアノコンクール優勝記念 古海行子ピアノリサイタル

日本人初制覇の快挙を果たした逸材が早くも凱旋公演!

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 ピアノ・ファンなら、古海行子の名をご存知の方も多いだろう。今春、昭和音楽大学3年生に進級したばかりの20歳の古海は、少女時代から多くのシーンで活躍してきた。筆者は2015年ワルシャワで開催された第17回ショパン国際ピアノコンクールで彼女の名と演奏を記憶したが、その彼女と再び出会ったのは、この3月、香川県高松市で開催された第4回高松国際ピアノコンクールの取材時だった。32の国と地域から332人が応募して41名が出場許可され、20名、10名へと絞られていく。そこから選ばれたファイナリスト5名中の最年少が古海だった。リストのピアノ協奏曲第1番という、短いながらテクニックの詰まった個性的な協奏曲を選んだ彼女は、輝きのある明澄な音で起伏に富んだ演奏を繰り広げ、見事優勝の栄冠を勝ち得た。これは同コンクール創設以来、初めての日本人優勝という快挙でもあった。
 その余韻冷めやらぬ5月9日、彼女の凱旋リサイタルが浜離宮朝日ホールで開催される。コンクールの第2次審査で快演したシューマンのピアノ・ソナタ第3番ヘ短調を核として他に数曲を独奏し、さらに、コンクールの第3次審査で審査員たちから高く評価されたシューマンのピアノ四重奏曲変ホ長調も聴かせる、というプログラムだ。旬の高松の覇者が、独奏者、室内楽奏者という二つの顔を披露する一期一会の機会となる。ぜひ、多くの方にお聴きいただきたい。
文:萩谷由喜子
(ぶらあぼ2018年5月号より)

2018.5/9(水)19:00 浜離宮朝日ホール
問:全日本ピアノ指導者協会03-3944-1583
http://www.piano.or.jp/concert/yp/10s/vol19/