音楽と共に平和について考える
その中で特に“音楽と共に考える時間”となるかもしれないのが、J.S.バッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」(全6曲)を聴くコンサートかもしれない。3月4日(日曜日)の午後、2部にわたって全曲を演奏するのは、ソリストとしての活動と並行し、伝統あるジュリアード弦楽四重奏団のメンバーも務めているジョセフ・リン。クラシックのコンサートとしては彼の妙技による“演奏を聴く”ための時間なのだろうが、J.S.バッハの音楽を内面的な感情表現だと考え、その音に心を震わせながら静かに祈りを捧げるという時間にもなるはず。これはJ.S.バッハだからこそ可能なのかもしれない。
もちろんそうした思惑にとらわれず、ヨーヨー・マら多くの音楽家たちが絶賛する名手のJ.S.バッハを、大ホールという空間ならではの不思議な静寂を感じながら、じっくりと堪能できるコンサートでもあるのだ。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ2018年2月号より)
2018.3/4(日) 第1回13:00 第2回16:30
すみだトリフォニーホール
問:トリフォニーホールチケットセンター03-5608-1212
http://www.triphony.com/