田尾下哲シアターカンパニー オペラ《セヴィリアの理髪師の結婚》

戯曲とオペラ、両方の魅力を味わう

昨年の公演より

 昨春突如として現れクラシック音楽界を騒然とさせたオペラ《セヴィリアの理髪師の結婚》が今夏、待望の再演を果たす。
 「劇作家ボーマルシェの連作にもとづいたロッシーニ《セヴィリアの理髪師》とモーツァルト《フィガロの結婚》。この2つのオペラを関連づけ、上演機会が極めて少ない原作の戯曲に改めて光を当てつつ、オペラとしての音楽の魅力もあわせて表現」したいと考えた演出の田尾下哲と家田淳は「伯爵夫人ロジーナが3年前の出来事を回想する形で、《フィガロの結婚》のストーリー中に《セヴィリアの理髪師》のエピソードを織り込む」一つの新しい作品を創り上げた。大事なアリアはそのままに、曲と曲の間の芝居部分は、家田が原作をベースに台本(日本語)を書いた。音楽監督は根本卓也。
 昨年の公演では、新国立劇場研修所出身の期待の若手を中心に起用したが、今年はさらに、ベテランの黒田博以下、与那城敬、大沼徹、醍醐園佳、嘉目真木子らも加わって一層の充実を図る。
文:唯野正彦
(ぶらあぼ 2017年8月号から)

2017.8/26(土)18:00、8/27(日)16:30 イタリア文化会館アニェッリホール
問:田尾下哲シアターカンパニー03-6419-7302 
http://tttc.jp/sevilla2017/