“大人ムード”溢れる七夕の宵
ピアニストとしてだけではなく、作曲やコンサートの“ホスト役”も務めるなど、マルチな活躍を続ける山田武彦を音楽監督に据え、その自在なピアノの音色で、東京室内歌劇場の実力派歌手たちから多彩な歌声を引き出すシリーズ第2弾が7月7日に開かれる。昨年デビュー30周年を迎えた山形由美が、今回もフルートと司会を担当。ソプラノ太刀川悦代、メゾソプラノ田辺いづみ、テノール島田道生、バリトン和田ひできら総勢11人の歌手たちが、ヴァイオリンの佐藤久成、ハープの山宮るり子ら名手の共演を得て、魅惑のステージを繰り広げる。
プログラムは、2部構成。第一部は、まず「セレナードとはどんなものかしら」と題して、リートやオペラからの名曲、さらに、西洋文化に日本の感性を融合した「浅草オペラ」の懐かしい旋律も。そして、第二部では、歌曲から歌謡曲まで、日本語詞の美しさを探求。途中、山田のソロによる「フランク永井へのオマージュ」(新作・日本初演)では、その編曲の妙と美音が冴え渡る。終盤は「有楽町で逢いましょう」「中の島ブルース」など往年のヒット曲で“大人の七夕”を演出する。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2017年7月号から)
7/7(金)18:30 浜離宮朝日ホール
問:コンサートイマジン03-3235-3777
http://www.concert.co.jp/