潤い豊かなロマン主義の息吹を伝える
ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団と読売日本交響楽団でコンサートマスターを務め、ソロと室内楽でも活躍を続ける日下紗矢子。トッパンホールでは〈日下紗矢子 ヴァイオリンの地平〉と題したシリーズを開いてきた。
今回、その第3回として掲げられたテーマは「ドイツ・ロマン派」。メンデルスゾーン「ヴァイオリン・ソナタ ヘ長調」、クララ・シューマン「3つのロマンス op.22」、レーガー「無伴奏ヴァイオリン・ソナタより第3楽章『シャコンヌ』」、ブラームス「ヴァイオリン・ソナタ第1番『雨の歌』」という選曲が興味深い。シューマンの盟友であったメンデルスゾーン、シューマンの妻クララ、夫妻を敬愛したブラームス、そしてブラームスの伝統を受け継いだレーガーという、シューマンを補助線に結ばれた4人の作曲家が並ぶ。
ミヒャエル・ゲースのピアノとともに、潤い豊かなロマン主義の息吹を伝えてくれることだろう。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ 2017年7月号から)
7/22(土)17:00 トッパンホール
問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222
http://www.toppanhall.com/