印田千裕(ヴァイオリン)& 印田陽介(チェロ)

姉弟ならではの息の合ったデュオ

 ヴァイオリンとチェロ。同じ弦楽器ながら、デュオの形では、耳にする機会は少ない。そんな2つの楽器による響きの美しさを、姉弟ならではの息の合った演奏で教えてくれるのが、印田千裕&陽介によるデュオ。今回のリサイタルは、多層的なプログラムを通じて、その魅力を掘り下げてゆく。
 東京芸術大学から英国王立音楽院に学び、邦人作品の紹介にも力を注ぐ千裕。そして、やはり東京芸術大学からチェコ・プラハ音楽院に学び、ソロや室内楽、演劇との共演など幅広い活動を展開する陽介。共に国際コンクールでの実績を重ねた実力派の姉弟デュオは、知られざる佳品にも光を当て続けてきた。
 ステージでは、共に19世紀に活躍したヴァイオリンとチェロの名手、ヨハン・ハルヴォルセンとフリードリヒ・クンマーが、古典の名曲を素材に編み上げた華やかな2作品を。さらに、バルトーク「ハンガリー民謡集」やメンデルスゾーンの弟子フリードリヒ・ヘルマンの「華麗なる大二重奏曲」、モーツァルトの二重奏曲ト長調と、多彩な作品を取り上げる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2017年6月号から)

6/10(土)14:00 藤沢/リラホール
問:グッとライフ財団050-3786-0713