藤倉大がヴェネツィア・ビエンナーレの音楽部門で銀獅子賞を受賞

(C)Seiji Okumiya
 ロンドンを拠点に活動している作曲家・藤倉大がヴェネツィア・ビエンナーレの音楽部門で銀獅子賞を受賞した。
 「ヴェネツィア・ビエンナーレ」は、イタリアのヴェネツィアで1895年から2年に1度開催されているアートの祭典で、音楽部門は1930年に創設。音楽部門の銀獅子賞は革新的な作曲家に授与される賞。
 2017年の「ヴェネツィア・ビエンナーレ」の会期中に行われる「ヴェネツィア国際現代音楽祭」において、10月7日に藤倉のホルン協奏曲第2番(2016)の完全版が福川伸陽のホルン独奏、杉山洋一指揮、パドヴァ・ヴェネト管弦楽団により世界初演される予定。

ヴェネツィア・ビエンナーレ 
http://www.labiennale.org/

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 また藤倉がアーティスティック・ディレクターを務める”Born Creative” Festival 2017(”ボーン・クリエイティヴ” フェスティバル 2017/略称:ボンクリ・フェス 2017)が5月4日、東京芸術劇場で開催される。
 即興音楽、雅楽、エレクトロニクス(電子音楽)、現代音楽アンサンブル、オーケストラ作品など、藤倉がこのフェスティバルのために選んだ作品で丸1日、東京芸術劇場館内に「新しい音楽」が満ち溢れる。
 できるだけ多くの人に「新しい音楽」に触れてもらおうと、夜のスペシャル・コンサートのチケット価格を抑え、チケットがあれば昼間のワークショップ・コンサートも無料で楽しめる。

◎アーティスティック・ディレクター 藤倉大 からのメッセージ
「ボーン・クリエイティヴ」、略して「ボンクリ」。
 これは、「人間は皆、生まれつきクリエイティヴだ」という意味。
 数年前から僕がやっている福島県相馬市での作曲教室では、5歳から高校生までを対象に世界から現代音楽のエキスパートの演奏家を迎えて特殊技法等をみっちり紹介し、その場で子供達が新しい音楽(現代音楽と呼ぶ人も多いかも知れない)の作曲をする。しかもすべての音や指示を楽譜にきちんと記し、自分の作曲した作品をその場でプロの演奏家に演奏してもらう。子供達が作曲中、演奏家は子供達が作品の一部を確認したり、コラボレーションし、アイディアを楽譜にするために待機し、直ぐに試演できるスペシャルな環境を作っている。
 この作曲教室を何年か継続していてわかったことは、全ての人間は子供の頃、「新しい音楽」「新しい音」、そして5歳の子供の言葉を借りると「変な音」が好きだったということだ。
 なぜかそのクリエイティヴィティは成長するにつれ、失われていく。
 この「ボンクリ」は、大人になっても5歳の子供のままクリエイティヴでいる人達の作品を、0歳の子供から大人まで楽しめる新しい音楽に触れるためのイベント。演奏家と共に参加し、一緒に音楽を作るワークショップもあり、即興音楽もあり、日本の伝統音楽である雅楽も、エレクトロニクス(電子音楽)も、現代音楽アンサンブルもあり、ペルー音楽も、オーケストラ作品もある。丸1日、東京芸術劇場館内に「新しい音楽」が満ち溢れる。一生分、少なくとも1年分の“世界中の新しい響き”を堪能することができるまたとない機会。
 5月4日は是非芸劇へ!

<デイタイム・プログラム>
5/4(木・祝)11:00〜17:00 劇場内各所
<スペシャル・コンサート>
5/4(木・祝)17:30 コンサートホール
東京芸術劇場
問:東京芸術劇場ボックスオフィス0570-010-296
※ボンクリ・フェス2017の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
http://www.geigeki.jp/

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ボンクリ・フェス2017 “Born Creative” Festival 2017
(ぶらあぼ 2017年5月号から)