トロンボーンの若き名手による協奏曲にも期待
超難関のミュンヘン国際コンクールで2007年、トロンボーン奏者として初の優勝を果たし話題をさらった、フランス・トゥールーズ出身のファブリス・ミリシェー。広島交響楽団の5月の定期演奏会にソリストとして登場し、パリ出身の指揮の名匠ジャン=クロード・カサドシュとの顔合わせで、アンリ・トマジの協奏曲を披露する。
ピアノとチェロ、トロンボーンを能くし、いずれでもコンクール優勝を果たすなど、幼くして非凡な能力を発揮。リヨン音楽院で学び、現在はザールブリュッケン・カイザースラウテルン・ドイツ放送フィルの首席奏者を務める。そんな名手をサポートするカサドシュは、音楽監督を務めるリール国立管弦楽団を世界第一級に押し上げた実力派だ。
20世紀フランスのトマジの協奏曲は、全てのトロンボニストに愛される傑作。精鋭集団・広響と傑作も相まって、幸せな“化学反応”が期待できそう。さらに、名匠の滋味あふれるチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」、ベルリオーズの序曲「ローマの謝肉祭」とも共鳴し、深い感動を呼ぶはず。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2017年4月号から)
第370回 定期演奏会
5/26(金)18:45 広島文化学園HBGホール
問:広響事務局082-532-3080
http://hirokyo.or.jp/