八王子音楽祭2017 八王子市市制100周年記念 ヴェルディ 《アイーダ》(セミ・ステージ形式)

 「オペラのなかのオペラ」という形容が、《アイーダ》ほど似合うオペラはない。「アイーダ・トランペット」を高らかに吹き鳴らす「大行進曲」で有名な、「凱旋の場」のスペクタクル。国と政治に引き裂かれながらも、愛を貫く恋人たち。美しいアリアや劇的な重唱、圧倒的な大合唱に華やかなバレエ…。《アイーダ》には、オペラという芸術に望まれるすべてがあるように思う。一方で、ふさわしいキャストを揃える難しさもあって、人気の割には意外に上演が少ないオペラでもある。
 この5月、八王子市が市制100周年を記念して取り上げる《アイーダ》(セミ・ステージ形式)は、大いに期待される公演だ。今まさに上昇気流に乗る川瀬賢太郎の指揮、美しくも躍動的な演出で人気沸騰中の岩田達宗の演出というゴールデンコンビで、人気オペラの真髄に迫るからだ。オペラの上演には“社会的な意義がある”という川瀬、常に話題を集める演出家として有名な岩田、ともにオペラへの情熱は超弩級。村上敏明(ラダメス)、小林厚子(アイーダ)、福原寿美枝(アムネリス)、森口賢二(アモナズロ)など、日本を代表する顔ぶれが揃うし、オペラ公演でも高い評価を得る東京交響楽団の出演も頼もしい。合唱や助演には八王子市民が参加し、地元参加型で一大イベントを盛り上げる。これほど贅沢な公演だけに、オペラファンなら全国から駆けつけたい。そしてオペラ初心者なら絶好の入り口になる、ワクワクするような公演になるに違いない。
文:加藤浩子
(ぶらあぼ 2017年4月号から)

5/6(土)15:00 オリンパスホール八王子
問:八王子学園都市文化ふれあい財団042-621-3005
http://www.hachiojibunka.or.jp/

【お詫びと訂正】
ぶらあぼ4月号の当該記事(P.48)で、川瀬賢太郎氏を「八王子出身」と記載しておりましたが、誤りでしたので該当箇所を削除いたしました。
読者の皆様、ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。

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