注目の二組が紡ぐ清新なる世界
文化庁の新進芸術家海外研修制度に選ばれ海外留学した現代舞踊家が、その成果を世に問う『新進舞踊家海外研修員による現代舞踊公演』。本年度は「新進舞踊家ふた組による熱い競演 ふたりで創る 新たな世界」という惹句である。
坂田守と長谷川まいこは、仏・パリに留学し、「Tarinof dance company」を結成して欧州のコンペティションで受賞を重ねた。今回は2016年夏に二人が踊った『Coco』を群舞版として再構築する。フィジカルの強さが半端なく、空間造形も緊密な彼らの持ち味を堪能できそうだ。
米沢麻佑子と幅田彩加は、早くから天才肌として名をはせる逸材で、共に名伯楽の黒沢輝夫・下田栄子に学び、名門・筑波大学ダンス部の先輩後輩でもある。留学先も同じ米・ニューヨークだが共作は今度の新作『跡』が初めて。二人が織り成す繊細かつスリリングな群舞作品に時を忘れて魅入られるだろう。
確かな技量と豊かな個性を兼ね備えた二組が紡ぐ清新な世界に注目したい。
文:高橋森彦
(ぶらあぼ 2017年1月号から)
2017.1/19(木)、1/20(金)各日19:00 横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホール
問:現代舞踊協会03-5457-7731
http://www.gendaibuyou.or.jp/