アントワン・タメスティ(ヴィオラ)と日本の俊英たち

豪華メンバーの多様な魅力がホールを満たす一夜

 多彩なコンサート活動でヴィオラという楽器の可能性を拡大し、来日コンサートでも毎回のように斬新な企画と演奏で聴き手を圧倒するアントワン・タメスティ。彼をメイン・ゲストに迎え、今年も多彩な活動で注目された3人の音楽家、そして俊英オーケストラが競演をはたす総決算風のコンサート『アントワン・タメスティと日本の俊英たち』が、横浜みなとみらいホールで行われる。
 指揮者として鍵盤楽器奏者として幅広い活動が知られるようになった鈴木優人は、タメスティとのデュオ(19時から約15分間のプレコンサート)やオルガン独奏、さらには若い世代を中心に名手たちが集まった横浜シンフォニエッタ(みなとみらいホールの主催公演には初登場!)の指揮など、コンサートの中心的な存在に。モーツァルトの「ハフナー」交響曲を指揮するほか、小林沙羅(ソプラノ)を迎えてホールに清涼な風を送り込む《フィガロの結婚》(抜粋)、ブラス・ファンなどから絶大な人気を得ている中川英二郎(トロンボーン)との共演を聴かせる。アルフレート・シュニトケ作曲によるトロンボーンとオルガンのデュオ「音響と反響」からは、どのような音楽、そしてホールの響きが生まれるのだろうか。
 タメスティは鈴木が演奏するオルガンとの共演のほか、やはりシュニトケの協奏的な作品である「モノローグ」を演奏。弦楽を背景に従えながら、ヴィオラひとり語りによる多種多彩な音楽言語を聴かせてくれるはずだ。濃厚で充実した一夜を約束してくれるだろう。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ 2016年11月号から)

12/2(金)19:30 横浜みなとみらいホール
問:横浜みなとみらいホール チケットセンター045-682-2000
http://www.yaf.or.jp/mmh