瑞々しく響くバロック・コンチェルトの傑作
来年で結成から30年、今やドイツのみならず、ヨーロッパ古楽界を代表する名アンサンブルとなったフライブルク・バロック・オーケストラ(FBO)。2年ぶりに日本の音楽ファンの前に降臨。初登場となるトッパンホールでは、2夜にわたって、大バッハを中心とするドイツ、ヴィヴァルディなどイタリアと、協奏曲の傑作を揃えたラインナップを、鮮烈なサウンドで聴かせてくれる。
今や名指揮者として知られるトーマス・ヘンゲルブロックを中心に、音楽大学の若き学生たちによって結成されたFBO。現在はバロック・ヴァイオリンの名手、ゴットフリート・フォン・デア・ゴルツとペトラ・ミュレヤンスが、共同で音楽監督を務める。たとえ聴きなれた“名曲”でも、作品への深い思い入れと丁寧なアプローチがあれば、まるで初演のように瑞々しく響かせられることを、常に証明してきた彼ら。日本では2012年にバッハの「管弦楽組曲」、14年には「ブランデンブルク協奏曲」を披露し、強烈な印象を残した。
今回は、まずプログラムⅠ(10/21)で、バッハのヴァイオリン協奏曲第2番や、チェンバロ協奏曲から再構築された3つのヴァイオリンのための協奏曲を軸に、ヘンデル(op.6-11)やコレッリ(op.6-1)の合奏協奏曲、ヴィヴァルディのシンフォニアほかを。プログラムⅡ(10/24)では、バッハのヴァイオリン協奏曲第1番や2つのヴァイオリンのための協奏曲に、ヘンデル(op.6-10)やコレッリ(op.6-2)、ヴィヴァルディ「調和の霊感」から第10番と、やはり合奏協奏曲を披露。ソリストは、2人の音楽監督が中心となって務める。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ 2016年10月号から)
プログラムⅠ 10/21(金)19:00 プログラムⅡ 10/24(月)19:00
トッパンホール
問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222
http://www.toppanhall.com
他公演
10/23(日)三鷹市芸術文化センター 風のホール(0422-47-5122)
10/25(火)兵庫県立芸術文化センター(0798-68-0255)