エドガー・クラップ(オルガン)

 ドイツ、いやヨーロッパのオルガン演奏の歴史を体現する存在、と言ってもよいだろう。ドイツ・オルガン界の巨匠、エドガー・クラップは南部バンベルク出身。ミュンヘンでフランツ・レールンドルファー、パリでマリー=クレール・アランと、20世紀を代表する両巨匠の薫陶を受け、1971年にミュンヘン国際コンクールのオルガン部門を制した。バロックから現代に至る、幅広いレパートリーに精通。特に、バッハ演奏においては第一人者と目されている。石川公演では「トッカータとフーガ ニ短調」など、大バッハの傑作を特集。「オルガン・フェスティバル」の幕開けを飾る(10/13)。そして、愛知公演では、「パッサカリアとフーガ ハ短調」などバッハと、「B-A-C-Hの名による幻想曲とフーガ」など没後100年を迎えたレーガーの佳品を弾く(10/20)。さらに、東京公演では、「トリオ・ソナタ第5番」など大バッハをルネサンス&バロック仕様、「交響的幻想曲とフーガ『地獄』」などレーガーの作品はモダン仕様と、一夜で2つの楽器を弾き分ける(10/25)。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2016年10月号から)

10/13(木)19:00 石川県立音楽堂
問:石川県立音楽堂チケットボックス076-232-8632
10/20(木)19:00 愛知県芸術劇場 コンサートホール
問:愛知県芸術劇場052-971-5609
10/25(火)19:00 東京芸術劇場 コンサートホール
問:東京芸術劇場ボックスオフィス0570-010-296