法村友井バレエ団『バヤデルカ』

終幕も見応えのあるバージョンで

 来年(2017年)創立80周年を迎える法村友井バレエ団は、1960年代後半に旧ソ連で研鑽を積んだ法村牧緒のもとでロシア・バレエの精髄を今に伝える。華麗で重厚なステージングは十八番といってもいい。
 インドを舞台に舞姫ニキヤと戦士ソロル、藩主の娘ガムザッティを軸にした愛と憎しみのドラマ『バヤデルカ』の上演は13年ぶり。幻影の場での陶酔を誘う群舞やエキゾティックなキャラクター・ダンスもみどころだ。今回は振付にユーリー・ペトゥホフ(ミハイロフスキー劇場バレエマスター)を招いて終幕の結婚式と寺院崩壊の場面を追加する。
 ニキヤをドラマティックな表現に秀でる法村珠里が演じ、ガムザッティを進境著しい新星の今井沙耶が務め、ソロルを日本でも親しまれているミハイル・シヴァコフ(ミハイロフスキー劇場プリンシパル)が踊る。江原功指揮・関西フィルハーモニー管弦楽団の生演奏も入った芸術の秋にふさわしい大作の開幕が楽しみだ。
文:高橋森彦
(ぶらあぼ 2016年10月号から)

10/7(金)18:30 フェスティバルホール
問:法村友井バレエ団06-6771-6475
http://www.homuratomoi.com