古楽界に新しい風をもたらす俊英が登場
「繊細にして躍動的」と絶賛される新世代チェンバリスト、マハン・エスファハニはイランのテヘランに生まれ、アメリカで育った。世界各地で研鑽を積んだ後、ヨーロッパの古楽シーンの最前線で活躍し、昨年には弱冠30歳にしてイギリス・ギルドホール音楽院の教授に就任。昨年6月のライプツィヒ・バッハ音楽祭では、解釈・テンポ取りともに驚くべき“超個性的”なゴルトベルク変奏曲を聴かせていた。
注目の来日リサイタルは、エスファハニが「聴き手の心へダイレクトに語りかける」と評する、大バッハのフランス組曲から第4〜6番を軸に。前半にはピーター・フィリップスや、ジャイルズ&リチャードのファーナビー父子らイギリス初期バロックの小品を、後半ではフランソワ・クープランのクラヴサン組曲第4巻の第24組曲からの5曲を添える。「チェンバロをピアノと比較するのではなく、独立した楽器として見てほしい。そして、いつか主流の楽器になれば」と語る俊英。その熱き情熱に、いち早く触れたい。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ 2016年9月号から)
9/16(金)19:00 王子ホール
問:王子ホールチケットセンター03-3567-9990
http://www.ojihall.jp
他公演
9/10(土)パルテノン多摩(小)(042-376-8181)
9/11(日)所沢市民文化センター ミューズ キューブホール(04-2998-7777)