オーケストラ・アンサンブル金沢 岩城宏之 没後10年メモリアルコンサート

現代作品とレクイエムで名匠を偲ぶ

 今年は、日本を代表する指揮者として活躍し、ユニークな言動や文筆活動でも知られた岩城宏之の没後10年。設立から深く関わり、初代音楽監督を務めたオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)と、やはり音楽監督を務めた東京混声合唱団がジョイント、山田和樹の指揮で金沢と東京でメモリアルコンサートを開く。
 コンサートの軸となるのは、静謐で美しい旋律に溢れたフォーレの「レクイエム」。吉原圭子(ソプラノ)と与那城敬(バリトン)、2人の名ソリストを迎えて、OEKと東混が癒しのハーモニーを紡ぐ。さらに、無伴奏合唱により、生前の岩城が力を注いだ現代の作品から、リゲティ「ルクス・エテルナ(永遠の光)」を披露。現在、東混の音楽監督を務め、国際的に活躍する注目の俊英・山田の音楽創りに、特に期待が高まる。東京公演では、ここにベートーヴェンの交響曲第2番が添えられる。
 金沢公演は「ディスカヴァリー・クリエーション〜過去・現在・未来〜」と題して、フォーレとリゲティに加えてバーバーのヴァイオリン協奏曲が披露される。ソリストは、OEK第1コンサートマスターを務めるアビゲイル・ヤング。彼女は、2007年から北陸にゆかりの深い実力ある音楽家に贈られている「岩城宏之音楽賞」の2016年度の受賞者でもある。イギリス・グラスゴー出身で、イギリス室内管弦楽団の副コンサートマスターなどを経て、1999年にOEKと初共演。「偉大なマエストロ岩城と一緒に仕事をできたのは幸運。没後10年の節目に受賞できたことを大変名誉に思っています」と同賞受賞時にコメントしている。
文:笹田和人
(ぶらあぼ 2016年8月号から)

9/10(土)14:00 石川県立音楽堂コンサートホール
9/11(日)15:00 すみだトリフォニーホール
問:石川県立音楽堂チケットボックス076-232-8632
http://www.oek.jp