NHK音楽祭 2016

メモリアル・イヤーの芸術家たちを称えて

 この秋もNHKホールを舞台にNHK音楽祭が開催される。例年トップレベルのオーケストラが招かれる同音楽祭だが、今年も豪華なラインナップが実現した。ワレリー・ゲルギエフ&マリインスキー劇場管弦楽団(10/14)、トゥガン・ソヒエフ&NHK交響楽団(10/31)、ダニエル・ハーディング&パリ管弦楽団(11/18)、マイケル・ティルソン・トーマス&サンフランシスコ交響楽団(11/22)がそれぞれ充実したプログラムを披露してくれる。
 オーケストラ公演のテーマは「偉大なる芸術家たちへ」。それぞれメモリアル・イヤーを迎える芸術家たちにスポットを当てているのが特徴だ。
 まず、ワレリー・ゲルギエフ指揮マリインスキー劇場管弦楽団がとりあげるのは、ベルリオーズの大作、劇的交響曲「ロメオとジュリエット」(日本語字幕付)。こちらはシェイクスピア没後400年にちなんだ選曲である。ユリア・マトーチュキナ(メゾソプラノ)、ディミトリー・コルチャック(テノール)、ミハイル・ペトレンコ(バス)とマリインスキー劇場合唱団の声楽陣が加わる。ベルリオーズ作品のなかでもとりわけ魅力的な楽想にあふれた作品であり、全曲を聴ける機会は貴重だ。
 NHK交響楽団を指揮するのは、若きカリスマ、トゥガン・ソヒエフ。没後20年を迎えた武満徹の「マイ・ウェイ・オヴ・ライフ−マイケル・ヴァイナーの追憶に−」、ハイドンの交響曲第104番「ロンドン」、ブラームスの交響曲第2番が演奏される。ソヒエフとN響の強力コンビのこと、スケールの大きな音楽を作り出してくれるにちがいない。
 パリ管弦楽団は新音楽監督のダニエル・ハーディングとともに来日する。ブリテン没後40年ということで歌劇《ピーター・グライムズ》より「海の間奏曲」とセレナードの2作品がとりあげられるところに、さっそくハーディング色が出ている。ジョシュア・ベルの独奏によるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲、ドビュッシーの組曲「ペレアスとメリザンド」も楽しみ。
 アメリカ西海岸の雄、マイケル・ティルソン・トーマス指揮サンフランシスコ交響楽団は、ユジャ・ワン独奏によるショパンのピアノ協奏曲第2番と、没後120年のブルックナーの交響曲第7番を演奏する。ブルックナーはやや意外な選択だが、このスーパー・オーケストラならではのゴージャスなサウンドを堪能させてくれることだろう。
 なお、他に特別プログラムとして、英国の名門ブラスバンドのブラック・ダイク・バンド(10/29)も公演を行なう。
取材・文:飯尾洋一
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年7月号から)

10/14(金)19:00 マリインスキー劇場管弦楽団 
10/31(月)19:00 NHK交響楽団
11/18(金)19:00 パリ管弦楽団 
11/22(火)19:00 サンフランシスコ交響楽団
特別プログラム
10/29(土)16:00 ブラック・ダイク・バンド
NHKホール
問:ハローダイヤル03-5777-8600/NHKプロモーション音楽祭係03-3468-7736
http://www.nhk-p.co.jp

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