イアン・バウスフィールド(トロンボーン)


 「まさに離れ技」と英誌に絶賛されたイアン・バウスフィールドは、いま聴きたいトロンボーン奏者の筆頭格。それゆえ9月の日本でのリサイタルは見逃せない。1964年生まれの彼は、ロンドン響の首席奏者を12年間務め、2000年には英国人初のウィーン・フィル(&ウィーン国立歌劇場管)首席奏者に就任した。そして様々な一流指揮者や著名楽団と共演し、08年にはムーティ指揮ウィーン・フィルの日本公演でもロータの協奏曲を披露。現在は、英国王立音楽院等で教鞭をとりながら、ソリストとして世界の第一線で活躍している。その演奏はまさしく変幻自在。英誌は冒頭の言葉に続けて、「音楽づくりのエッセンスを的確にとらえ、恐ろしいほど難しいパッセージさえも軽やかに奏で、呆然とさせられる」と賞した。
 今回は、美しい音色となめらかなフレージングで魅せるラフマニノフなどの歌曲や、超絶技巧で圧倒する「ヴェニスの謝肉祭」ほか演目も多彩。しかも会場は300席のHakuju Hallだけに、間近で妙技に接する貴重な機会となる。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年7月号から)

9/1(木)19:00 Hakuju Hall
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
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