紀尾井 明日への扉 11 藤元高輝(ギター)

古今のギターのための傑作が勢揃い


 いまキラリと光る若手アーティストが開く『紀尾井 明日への扉』。その第11弾に、卓越したテクニックと深みある音楽性で注目を浴びる、わが国ギター界期待の俊英・藤元高輝が登場する。東京都出身で3歳からギターを始め、東京音大で荘村清志に師事。東京国際ギター・コンクールなど数々の登竜門を制し、現在はケルン音大でさらなる研鑽を積んでいる。今回のステージでは、ダウランドやスカルラッティなど古典から、ソル、タルレガ、ファリャ、そしてヴィラ=ロボスまで、スペイン近代と南米のギターのための傑作がずらり。さらに、藤元が木下正道や川上統、植田彰へ委嘱した作品の初演・再演や、自らの編曲によるラヴェル「道化師の朝の歌」も交える。植田が「24時間、音楽のことばかり考えている。そういう奴です」と評する藤元の音楽世界の“いま”が、ぎゅっと凝縮されたようなラインナップ。俊英の指先が紡ぎ出す響きの力で、明日への扉を開け放つ瞬間を、ぜひとも目の当たりにしたい。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年3月号から)

3/25(金)19:00 紀尾井ホール
問:紀尾井ホールチケットセンター03-3237-0061 
http://www.kioi-hall.or.jp