Noism1 × Noism2合同公演 劇的舞踊『カルメン』

話題作が早くも再演

Photo:Kishin Shinoyama
Photo:Kishin Shinoyama
 Noism設立10周年を記念し、昨年上演された劇的舞踊『カルメン』が早くも再演される。初演から一年半の月日を経た今、新たなキャストを投入し再び舞台に蘇る。
 2010年の『ホフマン物語』に続く劇的舞踊シリーズとして、14年6月に発表されたNoism芸術監督・金森穣演出振付作『カルメン』。メリメの原作小説をベースに金森自らオリジナル台本を書き上げ、欲望渦巻く物語世界をドラマティックに描き出したのは記憶に新しいところである。学者の語りで進むステージに、影絵を使った巧妙なトリック、ビゼーの華やかな楽曲の背後に蠢く人間模様。キャラクターたちはそれぞれ明確な役割を与えられ、ステージに躍動感と息吹を注ぐ。なかでも野生の女・カルメンは、井関佐和子の当たり役。本能のまま奔放かつ真摯に生きる鮮やかなカルメン像は、舞台をひた走る井関の姿にそのまま重なって見えた。
 本公演でもカルメン役を演じる井関、理性の男・ホセ役を演じる中川賢をはじめとしたオリジナルキャストのほか、再演を迎える今回は新メンバーも続々登場。メインカンパニー・Noism1と研修生カンパニー・Noism2、さらにゲスト俳優の奥野晃士(SPAC-静岡県舞台芸術センター)や元カンパニーメンバーで現在Noism2専属振付家兼リハーサル監督を務める山田勇気と、総勢20名以上のキャストが集い劇的舞踊を壮大に繰り広げてゆく。
文:小野寺悦子
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年1月号から)

2016.1/29(金)〜1/31(日) りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場
問:りゅーとぴあチケット専用ダイヤル025-224-5521
2016.2/19(金)〜2/21(日) KAAT神奈川芸術劇場 ホール
問:チケットかながわ0570-015-415 
http://noism.jp