びわ湖ホール/ル・ヴォルカン国立舞台/ダムタイプオフィス共同制作 『STILL|高谷史郎』日本初演

フランス初演を経てさらなる高みへ

Photo:Yoko Takatani
Photo:Yoko Takatani
 1984年に結成され、関西から世界へと飛翔したアーティスト・グループ「ダムタイプ」。その創設メンバーで、映像、照明、グラフィック・デザイン、舞台装置デザイン等を手がける高谷史郎の新作『STILL』が、2016年1月、びわ湖ホールにお目見えする。
 高谷はインスタレーションを数多く発表し、著名アーティストとの協同作業を重ねるなど国際的に活躍中だ。近年はパフォーマンス作品に力を入れており、08年にドイツで世界初演された『明るい部屋』はスペインとフランス、日本ではびわ湖ホール、新国立劇場でも上演され、大きな反響を呼んだ。同作は、パフォーマーの身体と映像や音楽、照明、美術が緻密に結びついて未だ見たことのないような異空間を創造し、観る者の視聴覚をフルに刺激した。
 本プロダクションは、15年2月の2週間びわ湖ホールにて実験・試演。5月のフランスでの世界初演、10月のブリュッセル(ベルギー)での再演を経て、日本初演となる。世界初演を成功裏に終えたが、ベルギーと日本での上演に向けて練り上げ、ブラッシュアップを図るという。音楽に坂本龍一が参加、女優の鶴田真由が出演するのも話題だ。
 圧倒的で密度の濃いセノグラフィー(舞台美術や空間構成)と、それに負けない強度を備えたパフォーマンス。豊かな構想力と高い練度に裏打ちされた唯一無二の「高谷ワールド」を体感したい。
文:高橋森彦

2016.1/23(土)、1/24(日)各日14:00 びわ湖ホール(中)
問:びわ湖ホールチケットセンター077-523-7136 
https://www.biwako-hall.or.jp