ローマ・イタリア歌劇団 《ラ・ボエーム》

若さと美貌に恵まれたディーヴァにときめく

 ヴェルディの《椿姫》と並ぶイタリア・オペラの人気作、プッチーニの《ラ・ボエーム》が、イタリアのスポレート歌劇場を中心にボローニャ歌劇場やローマのサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団のメンバーも加わって編成されたローマ・イタリア歌劇団によって上演される。
 〈私はミミと呼ばれているの〉や〈さようなら〉などの名アリアを歌うヒロインのお針子ミミは、アバド、シャイー、チョン・ミョンフンら名指揮者にその才能を高く評価されてきた、カルメラ・レミージョが演じる。若々しさと美貌に恵まれた、今やイタリアを代表する名ソプラノである。その他、ロドルフォにジュゼッペ・ディ・ステファノ、ムゼッタにサビーナ・コルテーゼ、マルチェッロにコスタンティーノ・フィヌッチ、コッリーネにエウジェニオ・ディ・リエト、ショナールにトンマーゾ・バレアらが出演。イタリアの若手歌手の登竜門である声楽コンクールで著名なスポレートらしい人選であり、パリのカルチェラタンの屋根裏部屋に住む若い芸術家たちの青春群像劇である《ラ・ボエーム》にふさわしいキャスティングといえよう。
 指揮はイタリア出身でオペラを中心に国際的に活躍するカルロ・パッレスキ。演出はジョルジオ・ボンジョバンニ。舞台セットは、スカラ座の名舞台で知られるエルコーレ・ソルマーニの制作だ。“これぞイタリア・オペラ!”というべき上演が楽しめることであろう。
文:山田治生
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年2月号から)

6/30(木)18:30 府中の森芸術劇場 どりーむホール
問:チケットふちゅう042-333-9999
7/2(土)16:00、7/3(日)15:00 東京文化会館
問:コンサート・ドアーズ03-3544-4577
http://www.concertdoors.com