さまざまな“対比”を愉しむプログラム
J.S.バッハ(Bach)から現代音楽(Con temporary)を並べた、東京オペラシティの人気リサイタル・シリーズ『B→C』に期待のヴァイオリニスト、尾池亜美が登場。これまで、フランスの至宝ジェラール・プーレやハイフェッツの愛弟子といわれるピエール・アモイヤルら多くの師に学び、現在は日本とオーストリアを行き来しつつグラーツ芸術大学で研鑽を積んでいる。プログラムへのこだわりと探究心には定評があるだけに、今回の選曲にも注目だ。
尾池は『B→C』のコンセプトを踏まえた上で「さまざまな“対比”をくっきりとさせる」べく、相反する要素を配置した。すなわち、「邦人の現代音楽 vs 欧州の古典」、「“得意な曲”(ルクーやタルティーニなど) vs “初挑戦の曲”(池辺晋一郎『ファンタジー』やバッハのソナタなど)」、「共演が佐野隆哉のピアノ(前半)vs 桒形(くわがた)亜樹子のチェンバロ(後半)」といった具合に。また、休憩中にはロビーやステージで「能動的三分間」と題した即興演奏も予定しているという。これは何とも楽しみだ!
文:東端哲也
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年2月号から)
2/16(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
問:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999
http://www.operacity.jp