伝統と新しい個性あふれる公演に期待
来年創立70周年を迎える東京小牧バレエ団が活気づいている。今年6月の『スター・ガラ2015 ボストン・バレエの精鋭たちによる饗宴』では、倉永美沙、アルタンフヤグ・ドゥガラーら俊英11名を招いて多彩で刺激的な演目を紹介し、バレエ通を唸らせた。8月には菊池宗団長が「平成27年度外務大臣表彰」に選ばれている。勢いにのる同団の年末のダブル・ビルにも注目だ。
『火の鳥』は小牧正英が1954年に日本初演した近代バレエの傑作で、名匠・佐々保樹が伝統に基づいて再演出・振付する。倉永とドゥガラーが再び客演し、華麗で重厚な仕上がりになるだろう。『ショパン賛歌“憂愁”』はショパンの名曲にのせて放浪の芸術家の魂の遍歴を描く、叙情豊かな創作バレエ(振付:菊池唯夫、菊池宗、改訂振付:酒井正光)。主演はベテランの周東早苗と李波で、2007年度ミス・ユニバース世界大会優勝者、森理世の特別出演も話題だ。
老舗ならではの伝統と独自の個性あふれる公演を堪能したい。
文:高橋森彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年12月号から)
12/19(土)18:30、12/20(日)14:00
新国立劇場(中)
問:東京小牧バレエ団03-3377-7764
http://www.komakiballet.jp