驚異的な才能、また一人出現
瑞々しい才能に、いち早く触れられるチャンスだ。弱冠14歳ながら、数々の国際コンクールで実績を重ね、各国の第一線オーケストラと次々に共演を果たすなど、国際的な活躍を続けているピアニスト、トミー・レオ。素晴らしい音響と、小規模ホールならではの聴衆との距離の近さが魅力のsonoriumを舞台に選んで、鮮烈な音色をほとばしらせる。
レオはシンガポール生まれ。幼少期を東京や香港で過ごし、3歳からピアノを始め、紅林こずえらに師事。4歳にしてリサイタルを開き、ラニー・シュル・マルヌ国際コンクール(フランス)を制するなど、多くの登竜門で入賞。フランスやドイツ、韓国など世界中の音楽祭に出演する一方、アメリカのロチェスター・フィルなどオーケストラとも共演。「14歳とは思えぬ、成熟した表現と、感受性に富んだ音楽性」と絶賛されている。2013年からはロンドンで、王立音楽院教授のクリストファー・エルトンの薫陶を受けている。
今回のリサイタルは、スクリャービンの「幻想ソナタ」を軸に。ここへ、バッハ「トッカータト長調」やベートーヴェンのソナタ第21番「ワルトシュタイン」から第1楽章、リスト「超絶技巧練習曲」から第10番、アルベニス「イベリア」第1巻から第3曲「セビーリャの聖体祭」、チャイコフスキー「6つの小品」より第6番、さらにはリゲティ「リセルカータ音楽集」からの4曲など、きら星のごとき作品を添えて。ラインナップの多彩さだけでも、その才能と音楽性の非凡さがうかがえよう。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年12月号から)
12/27(日)14:00 sonorium
問 e-mail:konzue.red.forest.2186@docomo.ne.jp
http://www.sonorium.jp