ALTI芸術劇場 Vol.25 琳派四百年記念演奏会 クリスチャン・レオッタ ベートーヴェン ピアノ・ソナタ全曲演奏会 1st stage

ベートーヴェンのスペシャリストによる決定版ツィクルス

 クリスチャン・レオッタは、欧米をはじめ世界中の楽壇から熱い注目を集めるイタリアの実力派ピアニスト。今年12月と来年4月〜5月の2期(1st stage&2nd stage)に分けて、京都府立府民ホール“アルティ”を舞台に、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏に挑む。
 7歳でピアノを始め、バッハ演奏の権威であるロザリン・テューレックに師事。その師は「生まれながらの驚くべき音楽性」と愛弟子を評した。今や「最も優れたベートーヴェン弾きの1人」と評される彼は、2002年(22歳)にカナダ・モントリオールにおいてベートーヴェンのソナタ全曲演奏を完遂して以来、この壮大なツィクルスを欧米で13回にもわたり披露した。この功績が称えられ、04年にはイタリア共和国大統領より功労賞を授与されている。また、カナダのアトマ・クラシック・レーベルよりベートーヴェン・ツィクルスのCDをリリース。こちらも国際的に高い評価を得ている。まさにベートーヴェンのスペシャリストだ。
 「毎公演、必ずタイトル付きの作品を含め、各期の作品をバランスよく構成したい」との本人の意図から、第14番「月光」・第23番「熱情」・第29番「ハンマークラヴィーア」は2期共通で演奏される。「これらのソナタは、作曲家の内面のみならず、社会的な状況も色濃く投影。これを弾くのは単に演奏ではなく、人類へメッセージを伝えること」と熱く語るレオッタ。変幻自在の表現力で、響きの宇宙を形創る。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年11月号から)

1st stage
12/5(土)14:00 第10番・第3番・第30番・第23番「熱情」
12/9(水)19:00 第17番「テンペスト」、第13番・第19番・第29番「ハンマークラヴィーア」
12/12(土)14:00 第1番・第14番「月光」・第25番・第28番
12/20(日)14:00 第6番・第15番「田園」、第22番・第31番
京都府立府民ホール“アルティ”
問:京都府立府民ホール“アルティ”075-441-1414
http://www.alti.org
※2nd stage(全5回)の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。