BCJが初めて、モーツァルトのシンフォニーに挑む!
音楽監督の鈴木雅明のもと、2013年にバッハの教会カンタータ全曲演奏・録音という偉業を完遂させたバッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)。その新たなステージへの幕開けを告げる歴史的瞬間に立ち会えるに違いない。BCJが初めて挑戦するモーツァルトのシンフォニー、中でも最も人気の高い第40番。これまでもバッハのカンタータから鮮烈なサウンドを引き出し、世界中の聴衆を驚かせてきた彼らは、新鮮な感動を与えてくれるだろう。
バッハの作品の啓蒙に尽力したとして、12年にはドイツ・ライプツィヒ市から「バッハ・メダル」を授与され、近年はモダン楽器のオーケストラに客演し、ロマン派の音楽にも取り組んでいる鈴木。BCJとのモーツァルトへの取り組みは06年の「レクイエム」に始まり、2年前にも同曲に挑戦して秀演を聴かせただけに、今回の交響曲は、「満を持して」の感。今まさに、鈴木のモーツァルト観が結実されつつある証と言えよう。
今回、交響曲第40番は、クラリネットを含まない初期稿を採用。資料研究を怠らない、鈴木の姿勢が垣間見える。また、これに先立ち、鍵盤楽器奏者としてだけでなく、作曲・指揮・プロデュースなど、マルチな才能を発揮する息子の優人とのオルガン連弾で、音楽時計のために書かれた2つの作品を披露。さらに、イギリス出身のソプラノで、2年前のBCJのモーツァルト「レクイエム」でも美声を聴かせた、キャロリン・サンプソンを迎えての「エクスルターテ・ユビラーテ」を添えた、オール・モーツァルト・プロで臨む。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年11月号から)
11/22(日)16:00 サラマンカホール
問:ふれあい福寿会館サービスセンター058-277-1110
http://salamanca.gifu-fureai.jp