世界的クラリネット奏者、ニコラ・バルディルーが田所光之マルセルと日経ホールで共演

左:ニコラ・バルディルー ©Lyodoh KANEKO
右:田所光之マルセル ©Shigeto Imura

 ミュンヘン国際音楽コンクールなどで入賞を重ね、現在はフランス放送フィルハーモニー管弦楽団の首席クラリネット奏者を務めるニコラ・バルディルーが、1月に日経ホールで待望のリサイタルを開く。バルディルーの透明度の高い音色、フランスのクラリネッティストならではの柔軟なフレージングは多くのファンを惹きつけてきた。近年はYouTubeでの発信にも力を入れ、そのユニークで楽しい動画はクラリネットの枠を超えて多くのファンを獲得している。共演する田所光之マルセルは日本人の父とフランス人の母のもとに生まれ、パリ国立高等音楽院に学び国際的に活躍する気鋭のピアニストだ。

 リサイタルのテーマはガーシュウィンのオーケストラ曲をもじった「ニューヨークのフランス人」。ガーシュウィン作品にはじまり、清新な響きを紡ぐコープランド、躍動と陰影が交錯するムチンスキー、そしてスマートで溌剌としたバーンスタインまで、20世紀アメリカ音楽の多彩な魅力が一夜に凝縮される。フランスとアメリカ、二つの音楽文化が交差する刺激的なプログラムだ。

文:江藤光紀

(ぶらあぼ2026年1月号より)

第566回日経ミューズサロン ニコラ・バルディルー
クラリネット・リサイタル 「ニューヨークのフランス人」
2026.1/29(木)18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5227-4227
https://art.nikkei.com