ルーマニアの新星、いよいよ日本デビュー!
週末の午後に開催される名曲シリーズとして好評の都響「プロムナードコンサート」。9月の第365回公演では、新鋭クリスティアン・マチェラルを指揮台に迎え、ロシア音楽とフランス音楽の傑作からなる多彩なプログラムが組まれた。
曲はリムスキー=コルサコフの歌劇《見えざる都市キーテジと聖女フェヴローニャの物語》より「ケルジェネツの戦い」、ショーソンの「詩曲」、サン=サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」、チャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」。ショーソンとサン=サーンスでは名手、川久保賜紀のヴァイオリン独奏が聴きものとなる。
指揮のクリスティアン・マチェラルはこれが日本デビュー。1980年ルーマニア生まれの若手ながら、北米で着々とキャリアを築いている新星だ。2011年にフィラデルフィア管弦楽団でアシスタント・コンダクターを務めると、その貢献ぶりが評価されて翌年にはアソシエイト・コンダクターに就任、さらに定期演奏会デビューを成功させると、14年にはコンダクター・イン・レジデンスの地位を獲得している。また、ピエール・ブーレーズの代役をきっかけにシカゴ交響楽団の定期演奏会でも好評を博した。
ヴァイオリニストとして出発し、かつてはマイアミ交響楽団の最年少コンサートマスターを務めたというマチェラルだけに、オーケストラとのパートナーシップには秀でたものがあるにちがいない。都響との初顔合わせで、どんな「悲愴」を聴かせてくれるのだろうか。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年9月号から)
9/19(土)14:00 サントリーホール
問:都響ガイド03-3822-0727
http://www.tmso.or.jp