1985年、19歳でショパン国際ピアノコンクール優勝を果たし、⽇本でも社会現象ともいうべき人気を博したピアニスト、スタニスラフ・ブーニン。初となるドキュメンタリー映画『ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再⽣』(監督:中嶋梓、総合プロデューサー:⼩堺正記)が、2026年2月20日より全国公開される。

1966年モスクワ⽣まれ、リヒテルやギレリスら20世紀を代表する巨匠を育てた名教育者、ゲンリフ・ネイガウスを祖⽗に持つ音楽一家で育ったブーニン。83年、17歳の若さでロン=ティボー国際優勝、そしてその2年後にはショパンコンクールを制し、その抜きん出た演奏で一躍世界的な注目を集める。とりわけ日本では、「ブーニン・ブーム」と称される一大ムーブメントが巻き起こり、テレビ出演や写真集出版など、その活動はクラシック⾳楽の枠を超えて広がった。
1988年に、当時の西ドイツに亡命。その後も世界を股にかけ活躍を続けたブーニンだったが、2013年、闘病のため突如表舞台から姿を消すことになる。怪我の影響で左⾜⾸の⼀部を切断するなど、さまざまな困難を抱えながらも懸命にリハビリを続け、9年にわたるブランクを破り、2022年に舞台に復帰。その姿に密着したドキュメンタリー番組がNHKで放送され、⼤きな反響を呼んだ。
『ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再⽣』には、2025年12⽉にサントリーホールで⾏われる公演の模様や、インタビューが多数収録されるという。復帰を支えた妻・榮⼦との絆、彼を敬愛する名ピアニストたちによる証⾔を交えながら、⻑年にわたりブーニンとの信頼関係を築きあげてきた制作チームが、ブーニンの内面、そして苦難を乗り越えたどり着いた景色を克明に描き出す。
前売券は、今年のショパンコンクール・ファイナルを翌日に控えた10月17日より発売が予定されている。彼が出場した1985年の第11回は、他にもラフォレ、ヤブウォンスキ、小山実稚恵、ルイサダなど個性派がひしめく記憶に残る大会だった。昭和世代には、目にも留まらぬ速さで弾かれるブーニンの「猫のワルツ」を思い出す方も多いだろう。ソ連崩壊前夜だった当時、モスクワからやってきたヒョロヒョロっとした眼鏡の青年は、いささかミステリアスな存在でもあり、彼が弾く圧倒的なショパンは、人々を魅了するのに十分だった。あれからちょうど40年。今なお、世代を超え日本のクラシック・ファンの心を惹きつけ続けるブーニン。その軌跡、そして現在地を、ぜひ劇場で確かめたい。
文:編集部
映画『ブーニン 天才ピアニストの沈黙と再生』
2026年2月20日(金)⾓川シネマ有楽町ほか全国公開
10⽉17⽇(⾦)よりムビチケ前売券(カード券/オンライン券)発売予定
監督:中嶋梓 総合プロデューサー:小堺正記
製作:宮田興 遠藤徹哉 共同プロデューサー:吉田宏徳 苗代憲一郎 服部紗織 山田駿平
撮影:宮崎剛 編集:髙木健史 録音:深田晃 音響効果:三澤恵美子 公演収録:メディア・フォレスト
製作:NHKエンタープライズ/KADOKAWA 制作:NHKエンタープライズ 映像提供:NHK
配給:KADOKAWA
公式X:@movie_bunin
https://movies.kadokawa.co.jp/bunin/
【Information】
第19回ショパン国際ピアノ・コンクール2025 優勝者リサイタル
2025.12/15(月)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
2025.12/16(火)19:00 東京芸術劇場 コンサートホール
第19回ショパン国際ピアノ・コンクール 2025 入賞者ガラ・コンサート
2026.1/27(火)、1/28(水)18:00 東京芸術劇場 コンサートホール
2026.1/31(土)13:30 愛知県芸術劇場 コンサートホール
出演
第19回ショパン国際ピアノ・コンクール入賞者(複数名)、アンドレイ・ボレイコ(指揮)、ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団
他公演
2026.1/22(木) 熊本県立劇場 コンサートホール(096-363-2233)
2026.1/23(金) 福岡シンフォニーホール(092-725-9112)
2026.1/24(土)大阪/ザ・シンフォニーホール(ABCチケットインフォメーション06-6453-6000)
2026.1/25(日) 京都コンサートホール(ABCチケットインフォメーション06-6453-6000)
2026.1/29(木) ミューザ川崎シンフォニーホール(神奈川芸術協会045-453-5080)



