“2B”の内奥に踏み込む一夜
作品へ真摯に対峙し、鮮烈な音楽を紡ぎ続けるヴァイオリンの名手、堀米ゆず子。彼女が「背骨のよう」と表現するバッハ、「心のひだ」と言うブラームスは「感情表現の基本であり、過去30年の演奏生活において、自分の音楽作りの核となっている」という。堀米がアーティストとしての原点に立ち返り、この2人の作曲家の佳品に取り組む「堀米ゆず子 J.S.バッハ/ブラームス プロジェクト at Hakuju」(全6回)。第5弾では、読響などの客演首席を務めるなど、わが国きっての若手ヴィオラである大島亮を迎えて。シリーズ常連でもある堀米の盟友、山口裕之(ヴァイオリン)と佐々木亮(ヴィオラ)、ユリウス・ベルガー(チェロ)が加わり、ブラームスの弦楽五重奏曲第2番を弾く。そして、後半はいつものバッハ。2011年にミュンヘン国際コンクール特別賞を受賞したピアノの俊英・津田裕也が初登場し、堀米と共にヴァイオリンと鍵盤楽器のためのソナタから第3番を披露。最後は、堀米が無伴奏パルティータ第3番で締め括る。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年8月号から)
10/6(火)19:00 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
http://www.hakujuhall.jp