テーマはずばり「愛」
指揮の下野竜也が企画監修も担当し、新日本フィルハーモニー交響楽団と共におくる、すみだトリフォニーホールのシリーズ『音楽の魅力発見プロジェクト』。その第2弾は「夏だ! オペラだ! オーケストラだ!」と題し、ずばり「愛」をテーマに掲げて、迫力ある生のオーケストラのサウンドをプレゼントしてくれる。
ワーグナー《ローエングリン》より、第3幕への前奏曲、さらに有名な結婚行進曲で、ステージは幕開け。そして、国際的に活躍するソプラノの中嶋彰子が登場し、ガーシュウィン《ポーギーとベス》より〈サマータイム〉やスッペ《ボッカッチョ》から〈恋は優しい野辺の花よ〉、プッチーニ《トスカ》より〈歌に生き、恋に生き〉など、美しい歌声で聴かせる。
そして、最後はストラヴィンスキーの組曲「火の鳥」(1919年版)の、圧倒的なサウンドで締め括る。ブザンソン指揮者コンクールで優勝以来、国内外の第一線オーケストラの指揮台に立ち続ける実力派の下野は、実は軽妙なトークにも定評がある。それだけに、曲間の楽しい解説にも、大いに期待できるだろう。
さらに、開演に先立っては、新日本フィルのメンバーによるワークショップ「みんなで『火の鳥』」(10:30〜)や、実際にオーケストラの指揮を体験する「指揮者になろう」(14:00〜)、音を出してみる「楽器にさわろう」(14:00〜)など、関連イベントも満載。さらに、スカイツリー・グッズや地元の名産品を集めた「すみだ銘品屋台」も。家族そろって一日中、音楽漬けになれるイベントだ。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年8月号から)
8/16(日)16:00 すみだトリフォニーホール
問:トリフォニーホールチケットセンター03-5608-1212
http://www.triphony.com