
右:加藤昌則
平日の昼下がり、音楽と心なごむトークをお届けする文京シビックホールの人気企画「昼クラシック」。9月には、瑞々しい演奏で幅広いファン層を持つヴァイオリニスト奥村愛と、共演ピアニストとしても多くのソリストから絶大な支持を集める作・編曲家の加藤昌則が揃って登場。
今回は「ひとりの音楽家がヴァイオリンと出会い、その楽器とどのように向き合い、どのように歩んできたか…」がテーマということで、まずは奥村の“愛器”である1738年イタリア製「カミロ・カミリ」との出会いや旅路について語られるはず。そして、タルティーニ(バロック)やモーツァルト(古典派)からブラームス(ロマン派)、そして本人もヴィルトゥオーゾであったサラサーテまで、作曲家や演奏家の歴史とリンクしたヴァイオリンの名曲たちを披露。その“現代版”として登場するのが、これまでに数多く共演を重ねている加藤であり、その名コンビ誕生の秘話などにも期待したい。
特に、彼女から正式な委嘱を受ける前に書いてしまったという「Breezing air」(2010年リリースのアルバム『ラヴェンダーの咲く庭で』に収録)や、茨木のり子の詩集『見えない配達夫』に収録された「怒るときと許すとき」からインスピレーションを得て彼女のために作曲したという「燻(くゆ)る煙と共に」(2015年初演)については、ぜひ当事者の二人から詳しい話が聞けるのを大いに楽しみにしたいところである。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2025年8月号より)
昼クラシック 2025 奥村 愛 〜ヴァイオリンとヴァイオリニストが辿った道〜 【配信あり】
2025.9/19(金)14:00 文京シビックホール(小)
問:シビックチケット03-5803-1111
https://www.b-academy.jp/hall/

