
常に世界の第一線で活躍し続けるピアニスト、イェフィム・ブロンフマン。各国の一流オーケストラと共演を重ね、ゆるがぬ技術の高さと表現力、スケールの大きな音楽づくりで聴衆を魅了し続けている。昨年もブラームスのピアノ協奏曲のCDをリリースし高い評価を得ており、改めて存在感の大きさを示したところでもある。
そんな彼の10年ぶりとなる待望のリサイタルが9月に行われることとなった。幅広いレパートリーを誇るブロンフマンだが、今回はシューマンにブラームス、さらにドビュッシーにプロコフィエフという多彩なプログラムでその力量を示す。特に注目したいのが2人の作曲家のピアノ・ソナタだ。ブラームスの第3番、プロコフィエフの第7番「戦争ソナタ」というそれぞれが巨大かつ性格の異なる作品を同時に聴けるのは貴重な機会だ。またシューマンの「アラベスク」にドビュッシーの「映像」第2集という煌びやかな作品をどう聴かせてくれるかも楽しみである。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2025年8月号より)
イェフィム・ブロンフマン ピアノ・リサイタル
2025.9/16(火)19:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:ジャパン・アーツぴあ0570-00-1212
https://www.japanarts.co.jp

長井進之介 Shinnosuke Nagai
国立音楽大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中、カールスルーエ音楽大学に交換留学。アンサンブルを中心にコンサートやレコーディングを行っており、2007年度〈柴田南雄音楽評論賞〉奨励賞受賞(史上最年少)を機に音楽ライターとして活動を開始。現在、群馬大学共同教育学部音楽教育講座非常勤講師、国立音楽大学大学院伴奏助手、インターネットラジオ「OTTAVA」プレゼンターも務める。
X(旧Twitter) https://x.com/Shinno1102
Instagram https://www.instagram.com/shinno_pf/

